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人が、かつていたところ ──エデンへ ……

人生とは、なにか?

 

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人生とは、なにか?

 

この問いに対する答えを、10代のころのぼくは、どれはど求めていただろう……

 

 

 

奇妙に聞こえるかもしれないが……

 

人生観を大きく2つに分けると──我々の人生それ自体が、我々に悪意を持っているとする人生観と、悪意とはまったく反対のものを持っているとする人生観の2つになる。

 

前者は、人間とは必ず破滅に向い不幸になることが宿命づけられた存在と考える。後者は、前向きに生きて行けば必ずハッピーエンドが待っているものと考える。

そのどちらでもなく、人生をただ無意味なものとする考えも、前者に含めておくことにする。

 

我々人間は結局、この2つの人生観の間を行ったり来たり、彷徨うように生きているのではないだろうか?

 

いい時はいいのだが、試練を目の前にして立ち止まり思い悩む。

ハッピーエンドが用意されていると、信じようとして信じきれず、疑っては落ち込む。そして、どん底に陥ったなら、この人生というやつはきっと自分に悪意があるにちがいないと絶望するのだ。

 

これは結局、2つの世界──人間の幸福を願う絶対者などいない世界と、人間を愛そうとする絶対者の存在する世界の、どちらに我々が生きているのかを、探り求めていることに他ならない。

 

 

10代のころ、ぼくは宗教が大嫌いだった。

 

宗教の脅迫するようなやり口が嫌いだったからだ。

脅されて行う善行にどんな意味を見出だせるのかと思っていた……

 

 

だが、今はこう言える。

人間の幸福を願う絶対者が存在するかどうかの結論が出なくては、2つのうち、どっちの人生観を選べばよいか決められない。

 

人生とは、神を探し求めて歩く旅のようなものなのだ。