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人が、かつていたところ ──エデンへ ……

革命は、Twitter で、やる!


昨年 2010年から今年にかけて起こったチュニジアジャスミン革命に端を発し、リビアにまで連鎖していった一連の政変劇は、政権崩壊ドミノと称され、北アフリカから中東全体を巻き込む衝撃的な出来事となった。
それぞれの独裁政権は例外なく、情報統制によって自分たちの都合の悪い事実を隠蔽したり、国民の間の情報を遮断することによって、国民の不満が拡大するのを押さえ、長期にわたって私腹を肥やしてきた。
 
ところが、Wikileaks (ウィキリークス)の登場がきっかけとなり、彼らの都合の悪い事実は、ついに隠し通せなくなったのである。
それらの独裁政権下において、機能していない既存の情報ネットワークに代わって、各地の革命のために活躍したのが、Twitterツイッター)と、Facebookフェイスブック)だったと言われている。
 

── いったい、なにが起こったのだろう? Twitter って?

Twitter とは、インターネットの世界で、言葉を発したり、聞いたりする手段である。お互いが認め合っていれば、インターネット上のどこにいる相手であっても言葉を交わすことが出来る。その言葉とは、音声ではなく、ツイートと呼ばれる文字にして、やり取りするのだ。言葉を発した時、あいにく相手が聞いていなくても、伝言として文字が残る。 
 
だが、そのためには、お互いにフォローし合っている必要がある。フォローとは、声を聞く相手を選ぶ作業のことだ。言い換えれば、Twitter 上の膨大な情報から、自分に必要なものを選ぶ作業を、フォローする相手を選ぶことによって行うのである。政治的情報がほしいなら政治家を、音楽の情報がほしいなら音楽愛好家を、フォローすればいいのだ。
 
すでにいる友人同士でフォローし合えば、すぐそばで暮らしているように、“おはよう”  “おやすみ” を、交わすことができるし、災害時等、もしもの時の安否確認に利用することもできる。
 

── では、革命に使用するには、どうすればいいだろう?

ハッシュタグ と呼ばれる、# から始まるキーワードをつけて、ツイートすることによって、そのキーワードを知っている者たち全員が、そのツイートを見ることができるようになる。まったくフォローし合っていない、知らない者同士のツイートが、掲示板のように並んで表示されるようになるのだ。
 
ある男が、友人たち数百人と交流を持つ Twitter を楽しんでいたとしよう。数分間ごとに一つずつ増えていくツイートが、時系列によって縦に並んだタイムラインを、夕食後のんびり眺めるのが日課となっていた。だが、ある日突然、Twitter 上に、一つのハッシュタグが、やたら目立つようになっていることに気づく。ひょっとして、市民蜂起を促すキーワードではないかと思い、そのハッシュタグをクリックしたとたん、堰を切ったように革命の情報が流れ込んでくるのだ。凄まじいスピードで、次々と叫ぶようなツイートが増え続ける。 

 「宮殿を囲め!」  
 
 「みんなを呼べ!」  
 
 「 独裁者を追い出せ!」   
 
 「 おれも、今行く!」
 
 「 おれもだ!」 
 
 「 とうとう、この日が来たのか!」 
 
 「 おお、神よ…… !」 
 

臆病な者も、控えめな者も、駆けつけずにはいられなくなるような、爆発的に煽動する力を持つのが、Twitter なのである。



 エジプト市民革命 Egypt: A New Turning Point for the Revolution?