GET BACK !

人が、かつていたところ ──エデンへ ……

世界政府は、空想の産物か?

 

 
まもなく、アメリカでは、アマゾンの電子書籍端末 キンドルで、図書館から電子書籍を借りることができるようになるというニュースを耳にした。日本では、図書館が対応しない限り、始まらないだろうから、まだまだ先のことかもしれない。
 
iPadKindle のようなタブレット電子書籍端末も、そろそろ目新しいものでもなくなってきた。だが、書籍革命は、まだ本格起動する気配はない。
本好きの人にとっては、電子書籍など認め難いものだろう。だから紙の本はけして、なくならないという声はよく聞く。電子データのたよりなさも、言われるとおりである。しかし、世界の森林減少の速度は1時間に東京ドーム 178個分などと聞かされたなら、これでいいのか心配になってこないだろうか? 
 
この IT時代に、年度末の大掃除に廃棄されるオフィスの大量の書類や帳簿。テレビ番組一覧以外のほとんどが読まれないまま、台所のすみに積み重なっていく新聞紙。だれもが、だれかの号令をのんびり待っているとしか思えない。
世界の森林減少が、CO2による地球温暖化の問題と直結していると言われる以上、我々はもう無責任な態度のままではいられない。近い将来、海面下に沈む島に暮らす人々のことを忘れるべきではないからだ。

「そう言うけど、きみ! 簡単じゃないよ ── 大量の失業者と、景気のさらなる低迷を招くことになるし、だいいち国際競争力をひどく低下させ、国の経済を破綻させる。だから、急激な変化は期待しちゃいけないだろう?」
まったく、こう言われたら、なにも言い返せなくなる……

 
だから、結論はこうである!
 
国際競争という、経済の暴走を停止させる力を持った、世界統一政府を樹立させる以外に方法はない。世界共通の問題の解決を最優先するよう、世界各国に号令を発することのできる政府の上の政府をである。
G8も、G20も、各国の国益という、容易には超えられない限界が立ちはだかっていて、抜本的な解決策には到達できない。 
 
地球環境の緊急保護という、全世界が共有できる価値観によって決定された統一政策なら、それを各国の政府下で強権発動する指導者が出ても、それを悪とだれも呼ぶことはできない。
 
世界政府は空想の産物でしかないのだろうか?
 
とにかく、世界連邦政府が登場しない限り、地球環境問題が決着する日は来ないし、逆に言うなら、この問題こそが世界を一つにする鍵となるだろう。


  
 本は図書館サイトで借りてキンドルで読む!